顔面神経麻痺
ある日突然、顔の半分の筋肉が突然動かなくなる。
ほとんどの人には想像もつかないことでしょう。そして、それが現実に起こったとき、それがどんなに苦しく、悲しいことか、とても切ない病気です。
顔面神経麻痺の原因は、感染、腫瘍、外傷、そして特発性(原因不明)などがあります。 治療法の中心になるのが、ステロイドホルモン投与です。
原因の病気の治療も含め、麻痺が出現してから一日でも早い治療開始が大切です。 顔面筋のリハビリも重要です。マッサージもありますが、これは最近、行うほうがいいのか悪いのか議論されています。 鏡を見ながら、自分の顔の表情を大きく動かすのが基本で、そこに適切なマッサージを加えます。 手術治療もありますが、すべての人にいい結果が出るわけではありません。 原因でもっとも頻度が高いのは、ベル麻痺といわれる原因不明の麻痺です。 この麻痺は、幸いなことに、治る可能性が高い麻痺です。 有名な麻痺として、ヘルペスウィルスが原因の、ハント症候群という麻痺があります。顔面神経は、脳を出た後、耳の奥から、耳の下にある耳下腺という唾液腺の中を通り、顔の筋肉につながります。 その途中である、耳付近にヘルペスウィルスが感染し、神経の中に入り込んで麻痺を起こします。耳の穴の中などに、痛みを伴う水泡や発赤が見られます。 抗ウィルス薬とステロイドホルモンを用いますが、治りにくい麻痺で、注意が必要です。 中耳炎や、耳下腺腫瘍などで顔面神経麻痺が出現することもあります。 原因の病気を早期に特定し、しっかりとした治療をすることが重要です。