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レーザー治療、睡眠時無呼吸症候群

blog ナゴブロ 院長ブログ

初めてのマラソン

2017/04/17

人生初めてのマラソンを走りました。
マラソンとは言うけれど、実は5km。本物のランナーの人達からすると、「え、何?ちょっとした練習でしょ」と言われてしまいますが、僕にとっては一大事な距離でした。
学生時代から、走るのは大っ嫌い。中高の部活の練習の最後に学校の外周を走るのがどれだけ嫌だったか。実際に走りながら吐いたり泣いたり、とにかく嫌でした。
そんな僕が、なぜマラソンと名のつく大会にエントリーしたか。
それは同じ耳鼻咽喉科の先輩からのお誘いだったのです。

横浜市耳鼻咽喉科医会の役員同士で仲のいい港北区の先輩で、ランナーのドクターがいます。横浜マラソンなど有名な大会で出走する健脚の先生で、すごくいい人です。医会や講演会などでお会いする時に、ご挨拶の中で「先生、マラソンすごいですね。今度ぜひ誘ってください。」というお話を何度かしていました。ええ、そうです、ご挨拶。心のどこかに「走れるうちにいつか走りたいなあ」という気持ちはありました。まあ、憧れですね。どうせ走れやしないけど、でも気持ちはそちらですよ、的な。
そしたらこの素晴らしい先生から、ついにお誘いが来ました。

「東日本国際親善マラソンに出よう!米軍の相模補給廠の中であるレースで。走りやすいコースだし、終わったらBBQみたいな屋台がたくさん出ておいしいし、アメリカっぽいし、なんと5kmがある。初心者向けだよ」と力強いお誘いです。
しかし・・走るの大っ嫌いな、50のセミメタボなおっさんが走るんかい! えーっと考えた末に(あまり考えずに)「了解です!」と返事をしてしまいました。
しかし冷静になると、やはり「誘ってね」っていうのは社交辞令ですよ。大人がむさくるしくばたばた走っちゃいけません。マラソンなんてのはすらっとした若い人が颯爽と走るもので、汗だくのおっさんがぜーぜーと品がなく走っちゃいけないんですよ。どうしてそこんとこわかってくれないかなー、社交辞令なのに。

なんてぶつぶつ言いながら、しょうがない、スポーツクラブに行きました。
ランニングマシン、ほぼ初めて走りました。今までは走るのが嫌いで、エアバイクやウォーカーしか利用していませんでしたが、がっつり走ってみました。
やっぱりきつい。そして自分の決定的な欠陥がわかりました。
僕は頻脈だったんです。普段の脈拍が90くらいある。ちょっと運動するとあっという間に150くらいになっちゃうんですね。まったく赤ちゃんじゃないんだから・・・
医大生の時に自分の頻脈気味なのは気が付いていました。それがまだ続いているとは。
さすがに170を超えるといろいろな意味できつい。そして170はたやすくやってきます。
今回、初心者用5kmコースにも、さすがに縛りがありました。それは35分以内。ランナーの人にはゆるゆるだろと言われるでしょうけど、そこはセミメタボなおっさんですから。

5kmを35分。時速8.57km。まあ、時速9kmで走れば余裕でクリアです。時速9km、余裕。時速12km位までは全然問題なしです。しかし、それを5分、10分と持続できない。脈拍が怖いくらいに上がります。ましてや30分。患者さんの皆さんを残してランニングマシンの露と消えるわけにはいきません。
100mを10秒で走る短距離の選手。実は時速36kmです。そして42.195kmを2時間3分で走るマラソン王者。なんと時速20.58km。ボルトの半分以上の速さで、2時間走り続けているのです。まさに変態。
そんなことを呟きながら、セミメタボなおっさんの戦いは続きます。
今回、地元のスポ-ツクラブに何回か通いました。ありがたいことにうちの患者さんのスタッフの方もいて、優しく声をかけていただきました。ひそかな野望を胸に、しかし恥ずかしながらなかなか35分が切れません。そんなにジムに行く時間も取れません。大人のお付き合いの食事会もありました。

そんな時、大人は物に頼ります。ナイキショップのお兄さんのおすすめのランニングシューズ、イチローが履いてるようなランニングタイツ。
最大の買い物はApple Watchでした。地元のランナーでありIT関連にも強い、家具のエスニカの田原さんに心拍モニターの相談をしました。僕のイメージではランナー向け腕時計や、簡易型医療用パルスメーター。
そこで勧められたのが、ご承知のApple Watchでした。iPhoneと連動させる老舗のスマートウォッチには驚くべき機能が山ほどついています。そしてアプリを追加することで、利便性や可能性は果てしなく広がる。運動や体調の管理は(使いこなせれば)ほぼお任せです。特にジムでの運動やランニングの情報管理は、目を見張るものがあります。自分の脈拍も走りながら腕時計の画面で確認できる。恐ろしいばかりです。
現在のスマホが魔法の道具であるように、スマートウォッチもかなり魔法を使えます。さらに、そこからbluetoothイヤホンで好きな音楽で自分をアゲながら走れる。なんだかもう完走したような気持ちになります。まあ、この気持ちが大事。頻脈のおっさんですから笑。

さて、運命の4月16日。
結局1回も35分を切れないまま(全部で4回の練習でしたが笑)、晴天の春の日を迎えました。
在日米軍相模補給廠。びっくりしました。でかい。東京ドーム46個分。そして相模原駅の真裏。長津田から20分弱の場所にこんなところがあったのかと驚きながら、これもびっくりするくらいたくさんの人達と一緒にゲートをくぐり、敷地内の会場にいきました。
先輩と合流をして、受付・着替え・荷物を預けストレッチ。そしていよいよ・・スタート!
4月の晴天の下、桜の花吹雪を浴びて広大な敷地の中を大勢で走る!知らなかった世界でした。楽しい、というより思ったよりきつくない。もちろん若者にどんどん抜かされます。たぶん若くない人にも笑。それでもエアクッションで足取りは軽く、耳元にはブルーノ・マース。つらいなんて忘れることにしよう。手元を見ると、げげ、脈拍185!ペースダウン~。
たかだか35分、されど35分。もう、おっさんとは呼ばせない。
そして人生初のゴールゲートをガッツポ-ズでくぐりました!時計は・・33分12秒!

 

その後のご褒美は、アメリカンサーロインステーキと巨大な佐世保バーガーとがっつりのビール。カロリーの収支は、アドレナリンとエンドルフィンを加えて計算しておきましょう。
米本先生、新しい世界にお招きいただきありがとうございました。
次は10kmに挑戦かな!