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レーザー治療、睡眠時無呼吸症候群

blog ナゴブロ 院長ブログ

ALS・アイス・バケツ・チャレンジ

2014/08/26

8月21日に、今街で話題のALS・アイス・バケット・チャレンジの御指名がやってきました。
皆さんご承知のこのチャレンジは、指名を受けた人が24時間以内に頭からバケツ一杯の氷水を浴びる姿をインターネットで公開するか、ALS協会に100ドル(約1万円)を寄付するというものです。
僕を指名したのは高校の同級生のN君。高校時代に一緒にバンドで音楽を演奏していた友人で、高名な弁護士として青山に事務所を構えています(かっこいい!)。彼を指名したのも高校の同級生という、友人グループの内輪受け的なつながりでした。
さて、Facebookで指名を受けた後、僕はかなりウキウキしました。残念なことに僕はとてもお調子者で、こうしたイベントが大好きです。どんな格好をして動画を撮ろうかと考え込みました。とりあえず夜が明けたらスマホで動画撮影かな。

翌朝早く、夏休み中の僕は遠くまで犬の散歩に出かけました。ひと山越えて隣駅まで犬と一緒に歩いていたとき、僕は車いすのお子さんと散歩中のご家族に会いました。以前にもそのルートでお見かけしたことがあるご家族でした。
散歩しながらチャレンジの演出を考えていた僕は、はっとしました。ALSという病気は医師として当然知ってはいましたが、個人的に知り合いの患者さんはいません。だけど、僕には他の難病の知り合いの患者さんはたくさんいたんだよな。
僕は、散歩のルートを変えて家に戻ることにしました。そして、家に着くと愛犬の朝食を食べさせてから、昔働いていた病院に電話を掛けました。病院のスタッフの方は僕のお願い事に、親切に対応してくれました。とても天気のいい金曜日、僕はバイクでその病院に出かけました。
下の文章はその日の僕のFacebookへの書き込みです。

今街で話題のアイスバケツチャレンジですが、虚弱体質のため断念させていただきます。指名してくれたN君、申し訳ない。そしてチャンスをくれてどうもありがとう。
ALS協会には、世の中の素晴らしい志が集まっていると聞いています。
僕は医者ですが、ALS治療には直接携わってきませんでした。しかし僕がひよこだった頃、修行させていただいた神奈川県立こども医療センターでたくさんの子供たちと関わってきました。ALS協会の代わりに、この素晴らしい病院の子供たちのために少しばかりの寄付をさせていただきました。
全ての子どもたちの笑顔を応援しています。

このアイスパケットチャレンジが目指す1番の目的は、頭から氷水を被る個人の勇気を試すのではなく、ALSという病気に対する理解と共感を広げるものだと私は理解しています。
そこにSNSという新しいコミュニケーションツールが介在することにより、ちょっとしたブームになったのでしょう。このブームをどう楽しむかは個人の自由です。ことさら氷水パフォーマンスを強調するもよし、静かに患者さんへの共感を行動に移すもよし。人それぞれの価値観があるのだと思います。
すべての人の価値観を大切にする素晴らしさを、皆さんはわかっていただけると信じています。