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レーザー治療、睡眠時無呼吸症候群

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第2回復興支援女川中学職業体験キャンプ

2013/07/08

2011311日。あの東北大震災からこの企画は生まれました。

私たちは震災の後、縁のあった宮城県に支援のお手伝いに行きました。そこで震災直後の現状を目の当たりにして、怖れ、驚き、悲しみ、無力感に襲われました。そして傷ついた皆さんとともに立ち上がろうと思いました。

 

医療者と教育者の集まりからスタートした私たちは、やがて本格的な復興支援が始まる中で、これから将来に向けてどういう取り組みが出来るのだろうかと、試行錯誤を続けました。テーマとして考えていたのは、顔の見える支援、そしてこれからの世代である子供たちへの取り組みでした。

初めに試みたのは、被災地の子供たちへの奨学支援でした。看護学校への進学希望者への、返済義務のない奨学金の支給を検討していた私たちを待っていたのは、残念ながら苦い挫折でした。私たちが計画していた規模の奨学金システムだと、今回の被災規模だと対象者の選抜が困難で、結局実現できなかったのです。

それならば、若い世代に将来的な目標を持ってもらうことを考えました。

 

多感な時期の中学生。特に、多くの人的・物的・精神的損害を受け、経済的に不安定な状況の中で委縮しがちな子供たち対して、社会人になった時の職業イメージを具体的に持たせることで、「夢を叶えるための今の努力」としての日々の勉強を意識させることこそが、僕らのこの企画の意図です。勉強することの先に、高校、専門学校、大学への進学があり、その先に叶えるべき夢、なりたい職業がある。漠然とでも目標を意識させることで、勉強に対する意欲向上を起こすことが出来たら、私たちの計画は完成します。

被災地の未来を担う世代に、自分たちが大人になった時にお金を稼ぐ、食べていくための具体的な知識=職業を伝えることで、将来の夢や展望を広げてもらいたいと思っています。

また、地方で生活する生徒に、首都圏のへの引け目や敷居の高い感覚を減らし、首都圏での勉強や仕事の具体例を提示することも目的の一つです。

 

私たちは被災者にとって、そして今後の女川町にとっても大切な、「医療」と「食」をテーマにしています。

2012年に始まったこの企画は、34日で中学生たちを横浜に招待し、協力事業所で具体的な職業体験実習を行います。その事業所は、高い志をもって私たちに協力していただいています。

横浜を代表する基幹病院、昭和大学横浜市北部病院。370万都市・横浜の胃袋ともいうべき、横浜市中央卸売市場と南部市場。最近、復活のニュースに沸くロイヤルホストを率いるロイヤルホールディングス。

この皆さんが、私たちとともに、被災地・女川の子供たちの成長を温かく見守っていただいているのです。

医療や食には広範な職種があります。例えば、病院で働くには医療系の仕事に限らない、多岐の職種があります。「食」にかかわる職業も、子供たちの身近にある生産の仕事の他に、流通や小売り、飲食業という大きな産業があります。それを具体的に感じ、確認してもらえたら、と思っています。

 

地域にとって有意義な職業に就き、経済的にも自立することで、本当の意味で「明日の女川を支えるようなスキルと意思を持つ」若い人材を育てていくことが、このプログラムの最終目標なのです。